株式会社スギ薬局(以下、スギ薬局)は全国にドラッグストアを展開し、調剤薬局を併設した店舗も多く構える、小売業界でも大手の企業です。単なる医薬品の販売に留まらず、スポーツや健康、そして食育などの新規事業にも積極的に取り組んでいます。
その中で同社は、店舗での接客において特に訪日外国人や、高齢者や聴覚障がいをお持ちの方など音声の聞き取りが難しいお客様の対応に課題を抱えていました。
今回、株式会社アイシン(以下、アイシン)が提供する意思疎通をトータルに支援するアプリYYSystemを活用し、お客様とのコミュニケーションの円滑化に成功した取り組みについて、株式会社スギ薬局のスポーツ・健康事業推進部に所属する村上将之様(以下、村上様)にお話を伺いました。
課題
- 訪日外国人や高齢者、聴覚障がいをお持ちのお客様等への的確な説明が難しい
- 言葉の壁によるスタッフの心理的負担や業務負担の増加
- 医薬品や化粧品の専門的な説明が伝わらないことで的確な商品のご提供が困難
導入機能・使用事例
- 「YY レセプション」と鏡型ディスプレイを連携させ、文字や翻訳を鏡に映し分かり やすい接客を支援
- 辞書機能による医薬品や化粧品など専門用語の登録・管理
- リアルタイム翻訳機能による訪日外国人とのスムーズなコミュニケーション
効果
- 訪日外国人や耳の聞こえにくいお客様への応対時間をおよそ半分に短縮し業務効率改善・顧客満足度向上
- お客様とのコミュニケーションがスムーズになり従業員満足度が向上
- 訪日外国人のお客様へも専門的な商品説明ができるようになり、的確な商品のご提供と接客品質の向上
訪日外国人や音声の聞き取りが難しいお客様への丁寧なコミュニケーションの必要性
── YYSystemを導入する前に抱えていた課題を教えてください。
村上様:弊社は全国展開するドラッグストアであり、日々多くのお客様を接客しています。
業務を行う上で大小多くの課題はありますが、訪日外国人のお客様や、高齢者、聴覚障がいをお持ちの方など音声の聞き取りが難しいお客様とのコミュニケーションでは、商品の特性上複雑な説明となり的確かつ迅速にご説明をするのが難しい場面がございました。
結果的にお客様を待たせてしまうことも少なくありませんでした。特にドラッグストアにおいては、専門性の高い医薬品や化粧品に関する質問が多く、スタッフ側の対応の難易度も高くなっておりました。
──その課題は、業務に関して具体的にどのような影響がありましたか?
村上様:訪日外国人のお客様への対応において、言葉の壁による課題がございました。また、音声の聞き取りが難しいお客様との接客においても、筆談を交えながらより分かりやすいコミュニケーションを心がける必要がありました。
その結果、ご希望の商品やサービスを十分にご案内できないことで購入につながらない場面があったり、顧客満足につながりにくかったりという影響がございました。

「ドラッグストアは専門性の高い医薬品や化粧品も多く、訪日外国人のお客様への対応が課題でした」
株式会社スギ薬局 SCM推進本部 スポーツ・健康事業推進部 村上 将之様
訪日外国人や音声の聞き取りが難しいお客様への丁寧なコミュニケーションの必要性
──YYSystemを知ったきっかけを教えてください。
村上様:もともと弊社では、アイシンさんとチョイソコという移動支援サービスの協業契約を結んでいました。
その取り組みの中で「こういったサービスもあります」とYYSystemをご紹介いただきました。アイシンさんとのこれまでの信頼関係があったため、まず試験導入をしてみようという流れになりました。
──他のツールと比較して、YYSystem導入の決め手は何ですか?
村上様:導入の決め手は大きく2つあります。
1つ目は、インバウンド需要が増加傾向な中、店舗によっては訪日外国人対応の強化が必要だったことです。特に羽田空港に隣接する羽田イノベーションシティ店をはじめとする訪日外国人が多くご来場する店舗では、言葉の壁を感じる場面が多くあります。
その中で、YYSystemは、音声認識精度が高くリアルタイムに翻訳可能であり、これを活用することで訪日外国人のお客様に対する対応力向上が見込めると考えました。
2つ目は、アイシンさんとの信頼関係です。これまでの協業を通じて、アイシンさんが提供するサービスの品質やサポート体制に安心感がありました。
──YYSystemを導入することで、訪日外国人のお客様対応以外にどのような効果を期待しましたか?
村上様:YYSystemを導入することで、接客品質の向上と業務効率化の両立を期待しました。
専門性の高い商品を扱う現場では、的確な情報をお客様にお伝えすることが非常に重要です。リアルタイムでの翻訳機能と文字起こし機能を活用し、よりスムーズなコミュニケーションを実現することで、顧客満足度を高められるのではないかと思いました。
試験導入から現場スタッフから高評価
──羽田イノベーションシティ店での試験導入から本導入までの流れを教えてください。
村上様:羽田イノベーションシティ店という、訪日外国人のお客様が特に多い環境でYYSystemを導入しましたが、現場スタッフから非常に好評でした。
特に、翻訳機能を活用することで、お客様とスムーズなコミュニケーションが取れて接客のスピードが早くなり、お客様にも分かりやすいと感じてもらえたことが大きなポイントです。
その結果を受け、同じく訪日外国人率が高く、化粧品を多く扱う原宿の「コスメカラット」店舗へも導入を決定しました。化粧品はお客様のお悩みに応じたご説明、ご提供を求められる製品のひとつですが、そういったお客様の声にお応えできると感じました。
──コスメカラット店舗での導入時に、どのような反応がありましたか?
村上様:化粧品の接客では鏡の前で行うことが多くあります。原宿のコスメカラットでは、訪日外国人のお客様が多く、YYSystemと鏡型ディスプレイを連携させて、文字や翻訳を鏡に投影しながら接客ができるため、お客様の反応も非常に良くなりました。

YYSystemと鏡型ディスプレイの連携により接客用の鏡に翻訳文字を表示(画像は羽田イノベーションシティ店)
辞書機能や会話内容の分析により接客の質を向上
──YYSystemを活用する中で、当初想定していなかったメリットや意外な使い方はありますか?
村上様:辞書機能の利便性に驚きました。弊社では、医薬品や化粧品の専門用語だけでなく、従業員の名前なども登録しています。これにより、店舗内で使う特有の単語や情報を反映した接客が可能になり、より現場に即した運用が実現できています。
またYYSystemの機能を用いて、お客様の気になる点やご要望、需要などの分析にも使っています。その結果を売り場に反映させるなど、現場にてお客様のニーズにこたえる取り組みにも役立っています。
接客時間の短縮とスタッフ負担軽減でスムーズな現場運営を実現
──業務効率やスタッフの負担軽減にどのような影響がありましたか?
村上様:YYSystemを活用することで、体感として接客時間がおよそ半分に短縮される場面も多く見られました。
接客時間が短縮されたことで、店舗スタッフが他のお客様対応はもちろんのこと、例えば売り場の管理や発注作業など、接客以外の業務にも余裕を持って取り組めるようになりました。
また、これまでは言葉の壁やコミュニケーションの難しさに悩みを感じていたスタッフも多かったのですが、YYSystemを導入してから、そのような負担が軽減されたという声が多く上がっています。
加えて、お客様に正しく説明ができるようになったため、お客様のニーズに沿ったものを的確・迅速にご提供できるようになり、 結果としてより多くのお客様にご購入いただける機会につながっています。

YYSystemで文字を表示しながら調剤の説明をする様子(画像は羽田イノベーションシティ店)
──YYSystemを導入する際に懸念や不安はありましたか?またどのように対処いたしましたか?
村上様:導入前に懸念していた点のひとつは、プライバシー保護でした。
例えば、調剤室ではお客様との会話内容が個人情報と一緒に画面に表示される可能性があります。そのため、周囲から覗き見されないように表示方法を工夫するなど、事前に対策を考える必要がありました。
具体的には、受付窓口につい立を設置するとともに、処方内容を表示するディスプレイの確度や表示内容のレイアウトを調整することで、周囲からの視認を防ぎ、会話や表示内容が覗き見されないように配慮をしております。
また、現場スタッフが新しいデバイスを使いこなせるかという点も不安がありましたが実際に使用してみると容易に操作できたため安心しました。

周囲から覗き見されないように配慮し、確度や位置を調整して配置されたYYSystem
(画像は撮影用に用意した内容を表示しております。画像は羽田イノベーションシティ店)
他企業からの注目と企業イメージの向上に寄与
──メディア効果などで企業イメージにも寄与していると感じますか?
村上様:そうですね。YYSystemを活用した取り組みが、他企業さんから注目される機会も増えました。
原宿のコスメカラットや羽田空港の店舗には、他企業の関係者が見学に訪れることもあります。「スギ薬局は新しいことに挑戦している」という評価をいただくことが多く、企業イメージの向上にもつながっていると感じています。
──従業員やお客様からの反応や評価はいかがですか?
村上様:従業員からは「接客時に不安が無くなった」という好意的な意見が多いですし、お客様からも「使いやすい」「分かりやすい」といったポジティブな評価をいただいています。
特に訪日外国人のお客様からは、「母国語で対応してもらえるのは非常にありがたい」という声が多く、YYSystemの効果を実感しています。
YYSystemが様々な業界の小売業の訪日外国人対応を助けてくれる
──今後、YYSystemを活用してどのような展開を考えていますか?
村上様:現在は関東・北海道・関西などインバウンドのお客様が多い地域への展開はもちろん、今後は高齢者のお客様が多い地域にも導入を広げていければと考えています。また、医薬品や化粧品といった商品だけではなく、調剤室での利用も強化していきたいですね。
──さらに期待する機能や改善点があれば教えてください。
村上様:現場では、どこでお客様に話しかけられるかわからないため、すぐにご案内する即時性が求められます。
お客様側から文字起こし・翻訳ツールをご自身でご準備して聞きに来られることもあります。そのため、1秒でも早くYYSystemが使える状態になるとさらに活用の幅が広がると思います。
我々としては信頼を置くYYSystemを用いて正しくお客様に情報をお伝えして、ご満足いただきたいと思っています。
──YYSystemはどのような課題を持つ企業におすすめできますか?
村上様:やはり訪日外国人需要が高い小売業やサービス業には最適だと思います。
また、医療現場や年齢層の高いお客様を多く迎える業界でも大いに役立つのではないでしょうか。特に、専門用語が多い業界では、辞書機能を活用することで現場でのコミュニケーションがスムーズになりますし、YYSystemを介して会話した内容を分析することで顧客満足度向上にもつながるはずです。
私たちは、社員一人ひとりの幸福、お客様一人ひとりの幸福、そして、あらゆる人々の幸福を願い、笑顔を増やします。
