(池田優里さん/一般社団法人Bridge Heart 代表理事) ※インタビュー当時
「YYは、私にとって“気持ちのパートナー”です。あるだけで安心できて、気持ちを軽くしてくれる存在なんです。」
そう語るのは、一般社団法人Bridge Heartの代表理事を務める池田優里さん。
池田さんは生まれつき耳が聞こえず、現在は両耳に人工内耳を装用し、音を聞きながら口話でコミュニケーションをとっています。
普段から、病院での呼び出しやバス・電車内のアナウンス、にぎやかな場での会話などで、YY文字起こしを活用されています。
今回は、池田さんにとってYYがどのような存在なのか、日常の中で実際にどのように役立っているのかについてお話を伺いました。
- 病院や交通機関のアナウンスで活用
- “全部聞こえなくてもいい”と思えるようになった
- 人との距離を近づけてくれるきっかけにも
- 賑やかな環境でも使えるから、おすすめしたい
- 日常の中に、もっと当たり前にあってほしい
- 安心が、次の挑戦につながる
- 最後に:悩んでいる方へのメッセージ
病院や交通機関のアナウンスで活用
池田さんがYY文字起こしを特に活用しているのは、病院や交通機関など、アナウンスが流れる場面だといいます。
YYを使う前は、病院での呼び出しや電車の案内を聞き逃さないよう、常に集中して耳を澄ませていたそうです。
それでも聞き取れないときは、周囲の動きから状況を判断したり、直接人に確認をしていました。
こうした工夫で日常を乗り切ってきた一方で、常に神経を張り続けなければならない負担もあったといいます。
なかでも印象に残っているのが、高速バスでの体験です。
「休憩時間に『何時までに戻ってください』というアナウンスが入るんですけど、スピーカーやマイクを通した音声はとても聞き取りづらいんです。それが聞き取れないと、すごくソワソワする。置いていかれたらどうしようって。でもYYを使うようになってからは、文字で内容を確認できる。だから、そこまで緊張しなくていいし、リラックスして”聞ける”ようになりました。」
病院でも交通機関でも、音声を文字で確認できることは、池田さんにとって大きな安心につながっています。YYは、単に情報を補うためのツールというだけでなく、日常のなかにある見えにくい緊張をやわらげてくれる存在になっていました。
“全部聞こえなくてもいい”と思えるようになった
YYを使い始めてからの一番大きな変化は、安心感と心の余裕が生まれたことだと池田さんは話します。
「YYがあるだけで、何か困ったときに“これを使おう”って思えるんです。実際に使わなかったとしても、そこにあるだけで安心できる。その存在感が大きいですね。」
そしてその安心感は、心身の負担も軽くしてくれました。
「以前は“全部聞き取らなきゃ”と思っていたんです。でもYYがあることで、“全部聞こえなくても大丈夫”って思えるようになりました。気持ちが楽になったし、実際に疲れにくくなりました。」

人との距離を近づけてくれるきっかけにも
YYは、日常のコミュニケーションの中でも新しい変化を生み出してくれました。
音声認識アプリというと、“聞こえを補うためのもの”という印象を持たれがちです。
けれど池田さんにとってYYは、それだけではありません。
「YYをきっかけに、人との距離が近くなったと感じることがあります。みんなで一緒に楽しむ空気が生まれて、つながりのきっかけになる。そういうのがすごくうれしいですね。」
賑やかな環境でも使えるから、おすすめしたい
これまで他社の音声認識アプリも試してきたという池田さん。
しかし、にぎやかな場所では精度に課題を感じ、使わなくなっていったそうです。
「その点、YYは賑やかな環境でも音声を拾ってくれる。それがすごく安心につながっています。」
だからこそ、同じように聞こえにくさを抱える人たちに、YYをすすめたいと話します。
さらに池田さんは、YYSystemが継続的に改善を重ねていることにも信頼を寄せています。
「毎週のようにアップデートされていて、当事者の声を拾いながら改善してくれているのが伝わってきます。精度ももちろんですが、ちゃんと向き合って開発してくれている姿勢が、更なる安心感につながっています」
日常の中に、もっと当たり前にあってほしい
今後YYに期待することとして、池田さんはこう語ります。
「病院に行けばYYがある、駅でもアナウンスの内容がモニターに表示される。そんなふうに、日常の中に当たり前にある存在になってほしいです。」
機能面では、自分の聞き取りやすい声に変換して出力するような仕組みにも期待を寄せています。
「私は特に、低くてこもった男性の声が聞き取りづらいんです。文字情報だけでも助かるんですが、さらに自分の聞きやすい形で音声が届くようになったら、もっとありがたいですね。」

安心が、次の挑戦につながる
YYは、日々の不安を減らしてくれるだけでなく、池田さんの新しい挑戦にもつながっています。
池田さんは以前の仕事でイベント企画を担当することがあり、「誰でも参加できる」と言われるイベントの中に、本当に聴覚障がいのある人も含まれているのだろうか、という疑問を抱いてきました。
「“どなたでも参加できます”と言われても、情報保障がなければ取り残されてしまうことがあります。だから、自分が企画する側になったときは、誰もが安心して楽しめるイベントにしたいと思っていました。」
そんな思いを形にするうえで、YYが大きな力になったといいます。
「情報保障の一つとしてYYを使うことで、“字幕があります、安心して参加してください”と伝えられるようになりました。実際に、同じような当事者の方が来てくださって、楽しんでもらえたんです。」
2024年には、大阪・門真のショッピングモールで開催されたイベントでもYYを活用。
にぎやかな会場でも音声をしっかり拾ってくれる精度の高さが、導入へと繋がりました。
「実際にやってみて、自信にもつながりましたし、また新しく挑戦したいという気持ちが生まれました。」
最後に:悩んでいる方へのメッセージ
最後に、同じように日常の中で聞こえに困難を感じている方へのメッセージを聞きました。
「YYは、賑やかな環境でも音声を拾ってくれて、それがあるだけで安心感があります。自分に合った使い方がきっと見つかると思うので、ぜひおすすめしたいです。」
一般社団法人Bridge Heartの代表理事として、支援活動に取り組みながら、誰もが参加しやすい場づくりに向き合い続ける池田優里さん。
YYSystemは、その日常を支えるだけでなく、新しい挑戦への一歩をそっと後押しする存在として、これからも池田さんの歩みを応援していきます。

取材協力:一般社団法人Bridge Heart 代表理事 池田優里さん
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